日本の観光立国事情を振り返ってみましょう。詳細は以下から。
◆観光地に中国語やハングルの案内は本当に不要?
まず見てもらいたいのがこのツイート。「観光地に中国語、ハングルなどの案内は不要!」という論調は、この人物に限らずネットでよく見受けられるものです。
ではここで、JNTO(日本政府観光局)がまとめた「日本の観光統計データ」を見てみましょう。訪日外国人はここ5年ほどで飛躍的な伸びを見せましたが……
2018年、2019年とも韓国・中国からの旅行者がツートップ。台湾、香港を含めた東アジア全体では77.78%を占め、ヨーロッパ・アメリカ・オーストラリア(合計で10%前後)を圧倒しています。
つまり今の日本の観光産業にとって中国や韓国は「お得意様」。観光(=消費)してもらいやすいよう、案内などを充実させるのは商売として正しいわけです。
◆大してお金も落とさない?
また、「中国や韓国からの旅行者はお金にならない」という主張もあります。
そこで今度はJNTO(日本政府観光局)がまとめた1人あたりの旅行支出をチェック。過去2年の旅行者1人あたりの平均支出額は15万円前後とされています。
旅行者全体の10%にも満たないアメリカは17~18万円。平均支出額を上回る数字ではありますが……
中国からの旅行者の支出額は平均より明らかに高く、直近2年でも23万円台をキープ。はっきり言って上得意様です。
LCCの普及もあり、お金をさほど使わず短期旅行できることが背景にあるのか、韓国は7万円台と平均の半分程度。しかし単純に旅行者数が多いため、日本にもたらさせるトータルの観光収入は決して見逃せないものとなります。
台湾も12万円台。「短期間で日本にそれだけのお金を落としてくれる」というのは、非常にありがたいもの。東アジアからの観光客が増えることは、日本に大きな利益をもたらしています。
パッケージツアーから個人旅行への移行が進み、温泉街などの寂れた観光地ですらにぎわいを取り戻すきっかけとなっている外国人観光客。
何度も訪れて観光(=消費)してもらうために案内などを手厚くすることは、それほど悪いことなのでしょうか。
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