知財を保護するよう中国に圧力をかけているアメリカで、知財そのものを無視する法案が提出されました。詳細は以下から。
ロイター通信社の報道によると、アメリカ共和党のルビオ上院議員が「政府の監視対象となっている企業が国内での特許について、特許侵害での提訴も含めた法による救済措置を求めることを禁止する」法案を提出したそうです。
これは事実上、アメリカの監視対象となっているHuaweiを狙い撃ちにしたもの。
同社はアメリカの大手通信会社・Verizonに対し230件を超える特許を巡って10億ドル以上のライセンス料を要求していますが、法案が成立すれば救済措置を求められないどころか「Huaweiの特許はいくらでも侵害していい」ということになるわけです。
なお、周知の通りHuaweiは現行の4Gおよび次世代産業の中核となる5G技術においてトップクラスの特許を保有。5Gの標準化に大きく貢献するなど名実ともにフロントランナーです。
5Gをめぐる米中覇権争いの中、ターゲットにされている感のあるHuawei。知財保護を訴えていたアメリカに知財を無視する流れが生まれること自体に驚かざるを得ません。
もし今後貿易などでアメリカが対立した国にこのカードを切るようになれば、日本の自動車産業も決して他人事では済まないだけに、法案の行く末が気になるところです。
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