各社の高速通信サービスの中で唯一転送量無制限な「UQ WiMAX」の後継となる新サービス「UQ WiMAX 2+」向けに周波数が割り当てられる方針であることが明らかになりました。
日本経済新聞社の報道によると、総務省がKDDI傘下のUQコミュニケーションズに追加で周波数を割り当てる方針を固めたそうです。これは「UQ WiMAX」の混雑が同じ2.5GHz帯を利用してサービス展開している「AXGP」よりも深刻なことを受けたもので、割り当て幅は20MHz。
新たに割り当てられる帯域では新規格「WiMAX Release2.1」を採用した新サービス「UQ WiMAX 2+」が導入される予定で、通信速度が150Mbpsを超えるほか、すでに割り当てられている30MHz幅と合わせれば、毎秒300Mbps以上の高速データ通信も視野に入るとされています。
「WiMAX Release2.1」はWiMAXを展開していた世界の通信会社がFDD-LTEと並ぶ高速通信規格「TD-LTE」に移行することを受けて策定された新規格で、TD-LTEと互換性を持たせつつ、既存のWiMAXも利用可能なところが大きな特徴。
モバイルワイヤレスブロードバンドの整備に必要となるコストは決して低くなく、大手と比べて体力の少ないウィルコムやイー・アクセスがソフトバンク傘下になった原因でもあります。
しかし同規格を用いれば東名阪や全国政令指定都市などの人口密集地をUQ WiMAX 2+エリアとして優先的に整備し、基地局設備の調達コストなどを勘案した上で徐々に残りのエリアも整備する……といった、時間的・金銭的な余裕を持たせた展開も望めるため、サービスインが待たれます。
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