建物の中でも届きやすいプラチナバンド(800MHz)帯のLTEで、携帯各社に先駆けて実人口カバー率99%を達成した「au 4G LTE」を月額980円で使える、ケイ・オプティコムのMVNO(仮想移動体通信事業者)サービス「mineo(マイネオ)」。
データ通信にとどまらず音声通話や高性能スマホ、落下保証も提供され、極めつけにテザリングにも対応……といった、至れり尽くせりな内容であることもあり、事前予約が1万5000件を超えるなど、好調な滑り出しを見せていますが、さっそく対応端末「DIGNO M」を使ってみました。サービス内容・端末ともども「安かろう悪かろう」では決してありません。
◆まずは「mineo」をサクッとおさらい
これがmineoの基本的なプラン。データ通信のみの「シンプルタイプ」なら月額980円、音声通話サービス付きの「デュアルタイプ」なら月額1590円で、いずれも月間1GBまで(超過後は月末まで最大200kbps)の「au 4G LTE」を利用可能。なお、データ通信はLTEのみで、音声通話は3Gエリアでも利用できます。
提供される端末は「DIGNO M KYL22」で、本体価格は4万8000円。2000円の24回分割払いで購入することも可能。月額370円の「端末安心サポート」に加入すれば、落下・水没での故障時にも保証してくれるなど、大手携帯会社と変わらない使い勝手を提供している部分もポイントです。
◆mineo仕様のDIGNO M、セットアップ方法はこんな感じ
ではmineoでDIGNO M付きの音声通話サービスを申し込んだ場合、セットアップはどのような流れになるのでしょうか。さっそく見ていきましょう。まずはこれがmineoを申し込んだ際に届く箱です。
中身はこんな感じ。ご利用ガイド、提供条件の案内、au IC card、DIGNO Mの箱などが入っていました。また、別便で「mineo登録証」が届きます。
DIGNO Mの箱も「mineo」のロゴ入りに。
中身は左下から卓上ホルダ、DIGNO M本体、保証書、利用上の注意、ワンセグアンテナです。
利用上の注意では、問い合わせ先がauでなくケイ・オプティコムになることなどが記されています。
それではさっそく、まずは本体を充電するところから。同梱の卓上ホルダは30分で約50%まで充電できる急速充電対応のため、朝、目覚めた時に充電し忘れたことに気付いても、準備をしている間に充電することができます。
充電を終えたら次はSIMカードのセットアップ。本体下部にあるカバーを開き、箱に入っていた器具でSIMカードスロットを引き抜きます。
続いてはau IC Cardを台紙から取り外し、カードスロットの上に乗せて押し込みめば完了。あとは電源を入れるだけです。
そして電源を入れた際、少し注意して欲しいのが最初に表示される「auへようこそ」。mineoでは使えないサービスばかりであるため、とにかく「次へ」を連打。
ただし最後の画面のみ、「次回からこの機能を起動しない」にチェックを入れることを忘れずに。
◆動作はサクサクでLTEも快適、防水も付いたDIGNO Mを使ってみた
・DIGNO M本体の紹介
いよいよ起動したDIGNO Mとのご対面。同モデルは5.0インチフルHD(1920×1080)液晶、MSM8974(2.2GHz、クアッドコア)、2GB RAM、ソニー製裏面照射積層型CMOSセンサー「Exmor RS for mobile」採用の約1300万画素カメラを搭載しており、高性能なだけでなく、防水・防塵やワンセグ・おサイフケータイ・赤外線通信などに対応したオールインワンモデルです。
ホーム画面にはmineoマイページや音声通話アプリ「LaLa Call」へのショートカット。データ通信のみの契約でもLaLa Callで通話することが可能です。
アンテナピクト表示部分には「CPA」という表示があります。
さっそく触ってみたところ。携帯各社のAndroidスマートフォンが一気に高性能・安定動作を実現した2013年冬モデルなだけあって、引っかかりなくサクサク動いてくれます。
サクサク動くmineo仕様のDIGNO M – YouTube
背面カメラ横には電源ボタン
反対側には音量ボタンを配置
背面下部にはauではなく、mineoのロゴがプリントされています。
イヤホンジャック、microUSB端子、nano SIMカードおよびmicroSDカードスロットは本体下部にあります。
実はDIGNO Mの大きなポイントが、このラウンドフォルム。
5インチを超えるスマホはどうしても本体が大きく、「持ちづらい」という声が上がりがちですが、背面に思い切ったカーブを採用することで、手が大きくない人でも持ちやすさを実現しています。
さらにDIGNO Mには画面全体が震えることで音が聞こえやすい、京セラ独自開発の「スマートソニックレシーバー」を搭載。同機能は「簡単ケータイ」などにも採用され、幅広い層の支持を集めています。
かつてBUZZAPでお届けしたスマートソニックレシーバーのデモ。画面上にビーズを散りばめると、小刻みに振動しているのが分かります。
ケータイライクな操作感を実現する「エントリーホーム」も搭載。端末代を含めたトータルのランニングコストで考えれば、フィーチャーフォン(ガラケー)からの安価な乗り換え先としても十分魅力的なのではないでしょうか。
実際に使ってみたところ。まさにガラケーをタップ操作している感覚です。
ケータイライクな操作感を実現するDIGNO Mのエントリーホーム – YouTube
また、DIGNO Mは内径6.3mmのノズルを用いて、約3メートルの距離から毎分約12.5リットルの水を3分以上注水したり、水深1.5メートルの水槽に静かに沈めた状態で約30分間、水底に放置しても内部に浸水しないIPX5/IPX8相当の防水性能を採用。そこでいきなり浸水で壊れる危険に内心ガクガク震えながら、DIGNO Mを水に漬ける実験をしてみました。
まずはここ数日、各所でみられた大雨を想定してシャワーで水を掛けてみたところ。これはどのスマートフォンでも同じですが、水に触れることで誤タップが発生するものの、特に壊れる様子はありません。
mineo仕様のDIGNO Mを水に漬けてみた01 – YouTube
続いては水を張った洗面器に漬けてジャブジャブしてみました。持ち上げて水を切れば何事もなかったように操作できます。
mineo仕様のDIGNO Mを水に漬けてみた02 – YouTube
格安SIMと海外製スマートフォンなどを組み合わせたMVNOサービスは各所で見受けられますが、MVNO向け端末でNexus 5と並ぶ高性能や防水、ワンセグ・おサイフケータイ・赤外線通信機能を兼ね備えたのは現時点でDIGNO Mのみ。やはり大手携帯電話会社で販売されている端末をそのまま採用したのは非常に大きなアドバンテージです。
最後に多くの人が気になるであろう通信周り。実際にブラウジングしてみたところ、平日昼間の屋内であるにもかかわらず、高速かつ安定してブラウジングできました。動画再生も問題ありません。
au 4G LTEで動画を含むブラウジングもサクサクなmineo – YouTube
極めつけが別途申し込みや、追加料金を支払う必要もなくWi-Fiテザリングを利用できるという点。
初回起動時に「オプション加入が必要です」という画面が表示されますが、「次回から表示しない」をチェックした上で、気にせず「OK」をタップ。
あとは任意のパスワードを設定し、パソコン側で接続設定を行うだけでテザリングを利用できます。
なお、通信量を超過した場合は「mineoマイページ」にアクセスし、100MBごとに150円(税抜)でチャージ可能。もし使い切れずに余った場合、翌月への繰り越しが可能です。
◆かゆいところに手が届くサービスと端末、MVNO初心者にもオススメ
「端末は自分で調達、サポートは最低限で自力解決が基本」という、あくまで「分かっている人」向けの色合いが強く、どうしても初心者にオススメしづらい傾向にある日本のMVNOサービス。
しかしmineoは携帯電話会社で採用されている、初心者でも使いやすくて高性能な端末が選択肢として提供されているだけでなく、落下保証といった、いざという時のケアも充実。たとえMVNO初心者であっても、そこまでハードルは高くなさそうです。
さらに他のMVNOでは使えないことがあるテザリングもほぼすべての機種で利用できるなど、サービスが他社より充実していることや、ベースとなっているau 4G LTEのカバーエリアの広さを考えると、「分かっている人」であっても十分選択肢となりうるのではないでしょうか。
mineo公式ページは以下から。
mineo(マイネオ) ホーム
【auのLTEが月額980円、初心者にも優しい格安MVNO「mineo(マイネオ)」仕様の「DIGNO M」を使ってみた】を全て見る