先月BUZZAP!でイー・モバイルのLTEスマホ「STREAM X GL07S」が月額1980円(本体代込み)で叩き売られているという記事をお伝えしましたが、今度はウィルコムが破格でスマホの処分セールを開始しました。
「STREAM X GL07S」よりも利用できる通信量が多い上、防水やワンセグ、赤外線、おサイフケータイなどを備えており、使い勝手が良くなった一方で、落とし穴も相当数用意されています。
BUZZAP編集部員が立ち寄った家電量販店店頭。「本体、基本料金、パケット代などがすべて込みで1980円」と銘打たれたセールが行われています。
これが対象端末。ウィルコムの2013年夏モデル「AQUOS Phone es WX04SH」です。
他の店舗でも同様のキャンペーンは実施中。やはり月間7GB利用でき、すべてコミコミで1980円。なお、処分価格の「STREAM X GL07S」が売り切れてしまった店舗を中心に展開されているとのこと。
ここで「AQUOS Phone es WX04SH」をおさらい。約4.0インチフルワイドVGA(854×480)液晶、第4世代Snapdragon「MSM8260A(デュアルコア、1.5GHz)」、1GB RAMなどを搭載したモデルで、OSはAndroid 4.1。防水、おサイフケータイ、ワンセグ、赤外線に対応しています。
背面には手ブレ補正に対応したオートフォーカス付き500万画素カメラ。コンパクトサイズにもかかわらず、バッテリー容量は2080mAhです。
上記の内容で見ると、なかなか悪くない内容ですが、気を付けるべきなのが以下の4点。
1.そもそもLTEスマホではない
先行して格安で販売されていた「STREAM X GL07S」と大きく異なるのが、そもそも次世代高速通信に対応したモデルではないという点。
ソフトバンクグループで提供されているLTEやAXGPにも一切対応しておらず、3GとPHSのみの対応。「ULTRA SPEED」エリア内のみ、上り最大5.76Mbps・下り最大42Mbpsで利用することができます。
2.契約期間が36ヶ月であるのに対し、1980円で利用できるのは24ヶ月間のみ
25ヶ月目からは「ウィルコムプランD+」本来の料金(934円+300円+5700円=6934円)となり、支払額が一気に3倍に跳ね上がる上、36ヶ月以内に解約する場合、9500円の違約金を支払う必要があります。
3.3Gテザリング非対応
さらに厳しいのが3G回線でのテザリング非対応という部分。利用できるのは最大400kbpsのPHS回線でのテザリングのみです。
4.1年半遅れのスペック、7GBはほぼ有名無実
極めつけに厳しいのが本体のスペックが時代遅れであるという部分。
およそ1年半遅れとなる2012年冬モデル程度のプロセッサしか搭載していないことから、最新スマホのようにHD動画などのリッチコンテンツをガンガン扱うのは難しいほか、3G回線でのテザリングも封じられているため、モバイルルーター的な利用法も期待できません。
つまりアピールポイントとして店頭で掲げられてる「7GB」は有名無実の感が強く、25ヶ月目から月額料金が3倍に跳ね上がることもあり、今から3年縛りで購入するにはリスクが大きすぎるのではないか……というわけです。
2年契約、本体代込み、テザリングもできて1年間の通話定額まで付いた「STREAM X GL07S」と比べて随分条件が悪い今回の処分セールですが、「本体代込み1980円」「7GB」などの数字に踊らされてしまう人は少なくないはず。買った後に気付いても手遅れであるため、購入の際は十分注意しましょう。