つながりにくさへの不満を一切無視した上、「3Gと4Gの速度を比較する」というよく分からない調査を元に、先日『ソフトバンクが1番!』と主張していたマーケティング機関「MMD研究所」。
エリアの広さ・つながりやすさに大きく影響するプラチナバンドLTEを無視して『ソフトバンク版iPhone 5s/5cのLTEが1番!』と主張するなど、過程と結論の部分に不思議な点が多い同機関が、今度はスマホの料金プランに関する調査を行いました。
MMD研究所がスマホ所有者892人に対して行った調査によると、スマホユーザーの月額利用料金は「6000円以上7000円未満」「7000円以上8000円未満」が全体の3割超を占め、平均で6514円になったそうです。
利用料金分布グラフ。上記の層に「5000円以上6000円未満」「8000円以上9000円未満」を加えた57.2%がスマホの月額料金として5000~9000円を支払っていることが分かります。
また、スマホ利用者の64.5%が月額料金に不満を持っているとのことで、適正だと思う月額料金の平均は4045円。くしくもワイモバイル新料金プラン(スマホプランS+「STREAM S 302HW」を24回払いで購入した場合、月額3980円)とほぼ一致しますが、これは偶然なのでしょうか。
なお、ワイモバイルの親会社であるソフトバンクは先日行われた2014年度第1四半期の決算会見において、MMD研究所の調査結果を用いて以下のようなグラフを作成。MNP前と比較して「つながりやすさ」「速度」を実感したユーザーはソフトバンクが最多だとしていました。
グラフの縦軸が明らかにおかしいこともさることながら、見ておきたいのが元の調査結果。これだけ携帯各社がエリアを整備した今、最もシビアな問題であろう「ややつながりにくい」「とてもつながりにくい」と回答したユーザーは、auが最も少ない(=つながりやすさに最も不満が無い)ことは無視されています。
また、速度の調査についても、「前に使っていたスマホの通信方式」には言及されず、おそらくiPhone 4sなどの3GスマホやXi・WiMAX・ULTRA SPEED対応スマホが混在していた当時と現在の4Gを比べていることになるなど、設問自体が限りなく適当でありません。
このように、少し考えれば簡単に「穴」が見つかるにもかかわらず、ソフトバンクが大々的に活用しているMMD研究所の調査結果。
そのため今回のスマホ適正料金調査もワイモバイルの料金の正当性を主張するための材料に過ぎないのではないか……という気がしてなりませんが、ワイモバイルがこの調査結果をどう使うつもりなのかを注視したいところです。
月々のスマートフォンの料金は平均6,514円、適正だと思う月額料金は平均4,045円