Androidが優勢な諸外国とは対照的に、iPhone人気が顕著な日本。
しかし必ずしもiPhoneの商品力が評価された結果とは限らないようです。
◆実売データから見る「iPhone人気の急落」
「BCNランキング」が集計した家電量販店の実売データによると、2014年2~6月度の携帯電話売り上げシェアから、面白いものが見えてきます。
まずは2月。iPhone 5sが3キャリア合計で44.5%、iPhone 5cが5.9%と、実に携帯電話全体の半数をiPhoneが占める事態に。
3月はiPhone 5s単独で49.6%。iPhone 5c(5.4%)を合わせれば55%におよび、「我が世の春が来た」と言わんばかりの圧倒的なシェアを1年で最も盛り上がる春商戦で叩き出しています。
しかし4月になるとiPhone 5s、5cを合わせたシェアは31.3%にまで急落。代わりにXperia Z1および派生モデルのXperia Z1fが10.3%にまで伸びました。
5月にいたってはiPhoneのシェアが3割を割り込み、27.5%に。一方でXperia Z1および派生モデルのXperia Z1fが9.3%、Xperia Z2が4.3%と伸び、Xperiaが無視できない存在となっています。
iPhoneのシェアが33.3%に回復した6月。しかしXperia Z2がドコモ版iPhone 5sと2%差まで詰めています。
◆iPhone人気はキャッシュバックによるものだった?
上記の数字を見れば分かるように、3月を境に20%以上も急落してしまったiPhoneのシェア。
あまりにも劇的な転換ですが、背景にあるとみられるのが、携帯各社によるiPhone向けキャッシュバックの終了。3月まではMNPユーザーを対象に「iPhone 5sの本体代一括0円、学割適用で10万円を優に超える還元」など、異常とも思える光景が家電量販店で繰り広げられていました。
しかし3月後半からはキャッシュバックどころか本体一括0円での提供すら打ち切られ、投げ売りされている一部のモデルを除く、他のスマホなどとほぼ同じ販売価格に。
もちろん大幅なキャッシュバックが打ち切られてなお、シェア3割を占めることができているため、十分高いと思われるiPhoneの商品力。しかし今年3月までの圧倒的すぎるシェアは、キャッシュバックによって後押しされていた部分が相当数あったと考えざるを得ないようです。