いよいよ明日発売されるiPhone 6をめぐって携帯各社の熾烈な値引き合戦が繰り広げられていますが、やはり金銭面だけでなく、携帯電話の使い勝手に大きく影響するネットワーク部分についても目を配っておきたいところ。
そこで今回、150Mbpsの「フルLTE」やネットワークの容量の大きさで勝負を仕掛けるNTTドコモのネットワークについておさらいしてみました。合わせて公開されるauのネットワーク記事と比べてみるのも面白いかもしれません。詳細は以下から。
◆「フルLTE」を推進するNTTドコモ
先日NTTドコモが開いた記者説明会。テーマは「進化し続けるドコモのLTEネットワーク」です。
2014年度第4四半期(2015年1~3月)には前年同期と比較してLTE基地局数や最大通信速度、無線容量が大幅に向上する予定のNTTドコモ。
1.5GHz帯(15MHz、下り最大112.5Mbps)と、東名阪限定の1.7GHz帯(20MHz、下り最大150Mbps)をすべてLTEに振り分けた「LTEフルレーン」と、プラチナバンドの800MHz帯(10MHz、下り最大75Mbps)、2.1GHz帯(15MHz、下り最大112.5Mbps)を合わせた計60MHzの「フルLTE」を提供します。
LTE基地局は2014年度第2四半期(7~9月)時点で7万7000局、来年3月までに9万5300局に拡大する予定です。
これにより来年3月までにはXi(LTE)のエリアがFOMA(3G)とほぼ同等に。
前述の1.7GHzを使った下り最大150Mbpsの「フルLTE」はすでに東名阪で提供済み。
下り最大112.5Mbps以上の高速基地局は2015年3月末までに40000局に拡大します。
◆高速・大容量のクアッドバンドLTE、国内最速のキャリアアグリゲーションも
そしてここからがNTTドコモの見せ場。同社は2014年度中に国内最速となる下り最大225Mbps(カテゴリ6)のキャリアアグリゲーションを提供します。
使うのは800MHzと1.7GHz、1.5GHzと2.1GHzの組み合わせ。前者は1.7GHzの割り当て条件から東名阪限定となりますが、2つのキャリアアグリゲーションを使い分けられるようになるわけです。
複数の電波を同時に掴めることを生かし、広範囲をカバーする基地局(マクロセル)に、局所的に通信量が集中する場所用の小規模基地局(アドオンセル)を組み合わせることで快適な通信を実現へ。
日本でしか使えない周波数帯であることから、携帯各社が進んで整備をしたがらない1.5GHz帯までもフルで用いた「クアッドバンドLTE」が高速・大容量通信に大きな役割を果たします。
もちろん利用シーンに合わせた整備も推進。日経BPコンサルティングによる全国規模ネットワーク調査で満足度、通信速度1位を獲得しました。
6月に開始した次世代音声通話サービス「VoLTE」は約100万台が対応。iPhone 6でも提供予定です。
なお、iPhone 6で利用できるネットワークは「フルLTE 1.7G」こと1.7GHz帯(下り最大150Mbps、東名阪限定)と、800MHz帯(下り最大75Mbps)および2.1GHz帯(下り最大112.5Mbps)。NTTドコモ広報部に確認したところ、下り最大150Mbpsのカテゴリ4までしか対応していないため、iPhone 6でキャリアアグリゲーションは利用できないとのこと。
せっかく国内最速のキャリアアグリゲーションを提供できるにもかかわらず、iPhone 6側の仕様で利用できないNTTドコモ。
プラチナバンドLTEをいち早く整備したにもかかわらず、iPhone 5が対応しなかったことでauが苦戦を強いられたエピソードを思い出しますが、主に2014年冬モデル以降のAndroid端末ではネットワークの強みを最大限に発揮できるようになると思われるため、さらなる整備が期待されます。
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