いよいよ明日発売されるiPhone 6をめぐって携帯各社の熾烈な値引き合戦が繰り広げられていますが、やはり金銭面だけでなく、携帯電話の使い勝手に大きく影響するネットワーク部分についても目を配っておきたいところ。
そこで今回、全部入りで勝負を仕掛けるauのネットワークについておさらいしてみました。合わせて公開されるドコモのネットワーク記事と比べてみるのも面白いかもしれません。詳細は以下から。
◆iPhone 6商戦に「全部入り」ネットワークで攻めるau
iPhone 6が発表されてまもない、去る9月12日に行われたauの記者向け説明会の資料。同社が新しいステージへと移行したことが解説されました。
iPhone 6およびiPhone 6 Plusにキャリアアグリゲーション(CA)、WiMAX 2+、プラチナバンドLTEを「全部入り」で提供できるようになったau。新型iPhone発表早々説明会を開いたのは、今までの整備が報われた喜びの表れだと思われます。
なお、正式発表が行われていないため、上記の表には記載されていませんが、ソフトバンクもiPhone 6向けにCAを提供することがBUZZAP編集部の取材によって明らかに。ただしエリアは沖縄県の一部にとどまることから、全国区で全部入りを提供できるのは当面auのみとなります。
全部入りによって速さや広さ、つながりやすさを提供できるようになったau。
CAによりiPhone 6が対応する下り最大150MbpsのLTEを実現したほか、どちらかの電波が弱くなっても、もう一つの電波で補完が可能になることで、LTE通信が途切れにくく、さらに安定するようになります。
各社のネットワーク対応状況。iPhone 6が対応するネットワークを最もカバーできているのがauです。
CAを用いることで、150Mbps対応の基地局は12月までに約20000局を達成する予定。
携帯各社で統一された基準においても、プラチナバンドLTEで人口カバー率99%、2.1GHzで91%を達成しました。
人口カバー率は三大都市圏などをカバーすればある程度稼げますが、90%台後半になると、人口の少ない地方の市町村を整備していく必要があるため、東京都約20個分を整備してようやく2%を稼げる程度に。つまり「人口カバー率99%」はかなりの広さなわけです。
◆ずっとLTE接続のままでいられるネットワークを構築、新たな評価軸に
そしてLTEのエリアがある程度完成された今、新たに大事になってくるのが「ずっとLTE接続のままでいられるか」という部分。3Gに落ちる(ハンドダウン)ことなくLTEのままでいられる「LTE接続率」が、約99.5%になったことが明かされました。
また、NTTドコモが出資する株式会社イード提供の速度計測アプリ「RBB TODAY SPEED TEST」でもauが好成績。
コミケなどで積極的に対策を行うことで、平均WEB接続時間が5秒以内である割合も最も高くなったほか、プラチナバンドLTEを利用できるようになったiPhone 5s/5cでの満足度も1位に。
料金プランでは「カケホとデジラ」で他社よりも細かいデータ容量が提供されることに加え、旧プランも選択可能。auスマートバリューもさらに強化されました。
かねてから建物の中でもつながりやすいプラチナバンドLTEの整備をひたすら進めてきたことが、キャリアアグリゲーションによってさらに実を結ぶ形となったau。
音声をパケット化し、データ通信同様にLTEネットワークでやりとりすることで、従来の3G回線よりもクリアで聞き取りやすい通話を実現する「VoLTE」の提供が開始されれば「通話しながらのデータ通信」も可能となるため、かなり隙が無くなるのではないでしょうか。