おそらく年内にも登場するとみられるAppleの新型iPad miniが高解像度の「Retina Display」を搭載するかどうかをめぐって、各社の報道が割れる事態となっています。詳細は以下から。
Apple has A6-based iPad mini without Retina display in the works | 9to5Mac
Appleに関する情報を扱う大手サイト「9to5Mac」が報じたところによると、現在開発者向けに提供されている最新OS「iOS 7」ベータ版の隠しファイルに、新しいiPad miniを指すと思われる「2.8(J75)」「2.9(J76)」「2.10(J77)」という表記があったそうです。
これは初代iPad mini同様、新型iPadがWi-Fi版と北米のLTE対応版、グローバルのLTE対応版の3機種展開になることを示すもの。さらにこれらのモデルは「s5l8950x」プロセッサ搭載と表記されていますが、これはiPhone 5が搭載している「Apple A6」を指すとのこと。
そして最も決定的なのは「J75」などが「@2x」モードに対応していないという部分。同モードはアプリ開発者向けに提供されるもので、iPhoneやiPad、iPod touchといったRetina Display搭載モデルで利用可能。つまり新型iPad miniはRetina Display非搭載……ということになるわけです。
Retina iPad mini ‘likely’ coming this year: WSJ | The Verge
しかしながらウォールストリートジャーナル紙は新型iPad miniがLG電子やシャープだけでなく、Samsungにも製造委託したRetina Displayを搭載して今年の第4四半期に登場する見込みで多色展開なども視野に入れていると報道。Retina Display搭載の有無について大きく割れる形となっています。
なお、これらの情報は7月時点で報じられていた、Appleが依然として新型iPad miniにRetina Displayを採用するかどうかを決めあぐねており、採用が決まった場合、発売時期は2013年第4四半期の最後、つまり年末になるという部品メーカー関係者の情報を裏付けるもの。
ちなみにAppleはRetina Displayを搭載した第3世代iPadを2012年3月に発売し、8ヶ月後の11月にRetina Displayはそのままにプロセッサやカメラ、通信モジュールなどをブラッシュアップした第4世代iPadを発売。従来の「1年に1回」のペースを大きく崩す形で新モデルを発売しました。
つまりその気になればディスプレイそのままでプロセッサなどを強化した新型iPad miniを秋に発売した上で、後からRetina Display搭載モデルを別途リリース……といった離れ業を繰り出してくる可能性も考えられるわけですが、最終的な仕様についてはNexus 7の売れ行きや新型Kindle Fire HDなど、競合他社の動向が大きく影響してくるかもしれません。
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