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「Snapdragon 810」は発熱問題が深刻、期待のハイエンドスマホ向け新型プロセッサに暗雲

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2015年に発売されるハイエンドスマホ向けプロセッサ「Snapdragon 810」。プロセッサ面での進歩があまりみられなかった2014年とは打って変わって、大きな性能向上が期待されるわけですが、発熱が問題となっていることが明らかになりました。

◆Snapdragon 810とは?
まずはざっくりとSnapdragon 810の特徴を列挙するとこんな感じ。
・64ビット対応のARM Cortex A57(4コア)およびA53(4コア)の計8コアで、必要に応じて切り替えるbig.LITTLE構成のCPU採用
・GPU「Aderno 430」はSnapdragon 805の「Adreno 420」から30%性能向上、消費電力20%削減。4Kディスプレイで3Dゲームをプレイ可能
・次世代コーデック「H.265/HEVC」のハードウェアデコード、エンコードを低消費電力で実現。4K動画を快適に再生・録画可能
・内蔵4Kディスプレイ(60fps)および4Kテレビ(30fps)への外部出力に対応
・5500万画素までのカメラに対応
・LPDDR4 1600MHz Dual-channel 64bitメモリ(25.6GBps)対応
・3つの周波数帯を束ねたCategory 6(下り最大300Mbps)のLTEや、TD-LTE(国内ではWiMAX 2+やAXGP)対応
・30fpsの4K動画、120fpsのフルHD動画再生可能
・11.1chのドルビーやDTSサラウンド対応
・USB 2.0/3.0、Bluetooth 4.1、NFCサポート
◆なかなかえげつないスペックのSnapdragon 810、しかし発熱が問題に
昨年一部のスマホで採用された「2K(2560×1440)」すら手に余るのでは無いかという意見がある中、4K対応を強く意識したSnapdragon 810の高性能っぷりには目を見張るものがありますが、ここで問題となっているのが同プロセッサの発熱。
TSMC to face tough questions on Qualcomm orders
台湾メディアが報じたところによると、クアルコムはSnapdragon 810の試作を台湾の半導体受託生産メーカー「TSMC」が持つ20nmプロセスの製造設備で進めていましたが、「壊滅的な発熱問題」に苦しめられており、出荷が遅延する可能性が取りざたされています。
そこで新たにTSMCが保有する16nmプロセスの製造設備で「FinFET」と呼ばれる三次元構造を採用した試作を依頼したものの、Samsungの14nm・FinFETが好調であることを受け、クアルコム側がキャンセルしたという情報も浮上。TSMCからSamsungに依頼先を切り替えるかどうかは不明ですが、開発はあまりスムーズに進んでいないようです。
Samsung said to dump Qualcomm chip in Galaxy S6
なお、Snapdragon 810の発熱問題についてはSamsungも懸念しており、次期フラッグシップスマートフォン「GALAXY S6」に採用するプロセッサの80~90%を14nm・FinFETで独自開発した「Exynos」シリーズにする方針。
発熱問題が解決すれば、Snapdragon 810の採用割合を徐々に引き上げていくとされていますが、かつて開示された情報では、TSMCの16nm・FinFETでの量産開始時期は2015年7月ごろになる予定とのこと。
つまりクアルコムが当初の予定通りTSMCの20nmプロセスを採用してSnapdragon 810を製造するのであれば発熱、TSMCの16nm・FinFETに切り替えるのであれば出荷時期……といったように、何らかの形で影響が出かねないわけですが、はたして着地点はどこになるのでしょうか。

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