KDDI(au)が本日、首都圏直下型地震を踏まえた「大規模災害時を想定した公開訓練」を実施するにあたり、さまざまな非常用車両や設備を公開しましたが、やはりその中でもひときわ注目したいのが車載型基地局。
災害時だけでなく、コミケや花火大会、コンサート、初詣などの人が殺到するイベントでのつながりやすさに一役買っているわけですが、今回内部が公開されたため、さっそくその様子をお届けします。詳細は以下の通り。
これが車載型基地局。携帯電話の基地局および衛星通信機能を備え、スタンドアローンで稼働できるタイプです。
側面のドアを開け放つと中はこんな感じ。
向かって左側(運転席側)は携帯電話の基地局設備。奥の上段にある数多くのケーブルがつながっている機材が基地局のコア部分で、ユニットを増設することでLTEにも対応。現在全国各地に配備されている車載型基地局のLTE化が進められています。
右側は主にバッテリーなどの電源設備に。
そして上部には各種機材が発する熱を冷却するためのエアコンを搭載。
全体を見渡してみるとこんな感じ。まさに小型のサーバールームといったところではないでしょうか。
後部にはコーンなど、車載型基地局の設置に必要な各種装備。
こちらは衛星と通信するためのパラボラアンテナ
そして携帯電話基地局のアンテナがあります。
続いては車載型基地局の蓄電設備では賄えないほどの長時間設置が要求される場合に出動する移動電源車。
中には燃料を燃やして発電する設備が搭載されています。
側面のドアを開けておくとなかなか爆音。しかしドアを閉めれば比較的静かになるため、避難所の近くに来ても問題ありません。
爆音で発電するauの移動電源車内部 – YouTube
このように車載型基地局とケーブル接続して運用します。
最後に可搬型基地局。左から無線設備、基地局設備、衛星通信用のパラボラアンテナの順番で、発電機を接続して運用します。
そしてこちらが携帯電話用のアンテナです。
なお、説明員に聞いてみたところ、車載型基地局や可搬型基地局のアンテナは基本的に基本的にプラチナバンド(800MHz帯)の電波を吹くとのこと。
これは付近の基地局が不通になっている被災地ではカバーエリアの広さが要求されるためで、基地局1台で3G・LTE共に広範なエリアをカバーできるようになっています。